期待するのは親だけ?医学部受験に本気な子どもに共通する3つのサインとは?

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お子さんが「医学部に行きたい」と言うわりに、勉強にはあまり身が入っていない。

やる気があるようにも見えるし、ないようにも見える。

そんなあいまいな状態に、親として不安や疑問を感じることはありませんか?

  • 「本当にこの子は医学部に行きたいのか?」
  • 「私が言うからそう言ってるだけでは…?」
  • 「この先、途中で挫折してしまわないだろうか…」

医学部受験は、長期間の努力と高いモチベーションが必要。

日々の積み重ねが必要な上に、一般的な大学受験よりも難易度が高く、メンタルにも負担がかかります。

途中で「やっぱり無理かも」と挫折しないためには、お子さん自身の意志が欠かせません。

とはいえ、「本気で医学部に行きたいの?」と問い詰めても、本音は見えてこないもの。

むしろこうした質問が、親子関係のトラブルを生むこともあります。

そこで今回は、医学部を本気で目指している子に共通する「3つのサイン」をご紹介。

お子さんの様子と照らし合わせながら、静かに観察してみてください。

そこから見えてくるものが、親子で医学部受験にチャレンジするヒントになるはずです。

医学部を本気で目指す子に共通する、3つのサイン

医学部志望の人はたくさんいますが、その全員が本気というわけではありません。

本当に医学部へ行きたいお子さんには、ここから紹介する3つの傾向がサインとして見受けられます。

1. 医学部に行きたい理由を、自分の言葉で説明できる

本気で医学部を目指している子は、志望理由を聞かれたときに「自分の言葉」で話せることが多いです。

たとえば、「どうして医学部に行きたいの?」と聞くと、以下のような言葉がすぐに出てきます。

  • 「小さい頃に入院したとき、お医者さんがすごく頼もしく見えた」
  • 「部活中にケガをして治療を受けたとき、医療の素晴らしさを実感した」
  • 「医学の進歩で苦しんでいる人を救いたい」
  • 「祖父の闘病をきっかけに、医療の道を考えるようになった」

もちろん、最初からはっきりとした志望動機がある子ばかりではありません。

ただ、自分なりになぜ医学部なのかを考えているお子さんは、その思考プロセスが自然と言葉に出てきます。

面接の受け答えのような慣れた話し方でなくても、話すときの表情や身振り手振りに「自分のこと」として考えている様子が表れるものです。

逆にやらされ感があったり、親御さんの期待を優先していたりするお子さんは、「医者の家系だから」「成績的に行けそうだから」「周りがそう言うから」といった、どこか他人事のような答えになりがちです。

また、ネットの情報や参考書のフレーズをそのまま持ってきたような志望理由を話すことも。

重要なのは「うまく話せているか」よりも、「自分の言葉で考えて話しているかどうか」です。そこに、その子の本気度が現れます。

2. 勉強に積極的。進んで取り組む姿勢や工夫が見られる

医学部受験は膨大な学習量・思考力・スピードと、さまざまな資質が問われるのが難しいところ。

本気で受験を考えているお子さんは、勉強へ取り組む姿勢に工夫や積極性が見られます。

たとえば…

  • 自分で勉強のスケジュールを立て、調整している
  • 苦手分野を意識的に克服しようとしている
  • 模試の結果から、自分の弱点を分析している
  • 「なぜこの解法なのか」を考えながら問題に取り組んでいる
  • 同じ間違いを繰り返さないよう、復習の仕組みを作っている
  • 学校や予備校での授業で、質問や意見をするようになる

こうした行動は、「本気の証拠」といえるもの。

完璧ではなくても、「考えながら取り組んでいる姿勢」が見えれば、それは積極性のサインと言えます。

特に注目したいのは、「単なる勉強時間」ではなく「勉強の質」。

ただ長く机に向かっていても、それが意味のある時間になっているかは別問題。

本気の子は、効率よく、深く理解するための工夫をしています。

逆に、ただ与えられた課題をこなすだけ、間違えた問題を放置している、成績が伸びない理由を自分以外のせいにする、などの場合は、「やらされている感」が強いかもしれません。

3. 不安や弱音を素直に口にするようになる

意外かもしれませんが、お子さんが不安や弱音を親に見せるようになるのも、本気で医学部を目指しているサインです。

  • 「この調子で間に合うかな…。志望校に届くかな」
  • 「最近、集中できてないかも。どうしたらいいと思う?」
  • 「この模試の結果、正直ショックだった。次は挽回しないと」
  • 「医学部って本当に自分に合っているのか、ときどき不安になる」

こうした言葉が出てくるのは、本当に医学部へ行きたいからこそ。

目標への本気度が高いほど、そこに到達できるかどうかという不安も大きくなるものです。

やらされているだけのお子さんは、そもそも「落ち込むほどの気持ち」すら生まれにくく、成績の上下にも「また親が何か言ってくるなあ」くらいにしか思いません。

また、弱音を言えるということは、親御さんを信頼している証拠でもあります。

「弱みを見せても否定されない」「理解してもらえる」という安心感があるからこそ、本音を打ち明けてくれるはず。

お子さんが悩みを相談してきたときは、すぐに解決策を提示したり、「大丈夫だよ」と軽く励ましたりするより、まずは話を聞いてあげると良いです。

本気で頑張っている子は、励まし以上に「理解してくれている」と感じることが大きな支えになるもの。

親子で同じ方向を向いて進んでいるという実感が、医学部受験という長い期間を乗り越える原動力になります。

逆に本気ではなく、やらされ感が強い医学部志望のお子さんは?

ここまで、医学部受験に対して本気度が高いお子さんの傾向を紹介しました。

「うちの子が本気かわからない…」と感じている親御さんは、以下の点に注目してみてください。

  • 勉強してはいるが、理由を聞くと「親が言うから」「しないと怒られるから」と言う
    →自分の意思ではなく、やらされ感が強い状態です。
  • 医師になりたい理由を聞いても、ぼんやりとした内容しか返ってこない
    →「人の役に立ちたい」「安定した職業だから」など、どの職業にも当てはまるような理由しか言えない場合は要注意です。
  • 模試の結果や成績ばかりにとらわれ、目的や学ぶ楽しさが見えない
    →点数という「結果」だけを気にしていて、医学自体には興味が薄い状態といえます
  • ミスや失敗に過敏で、自分を責めがち
    →「期待に応えないと」という義務感からくる行動かもしれません
  • 表面的には「大丈夫」と言いながら、詳しく聞こうとすると中身がない
    →親との対話を避け、本音を隠している可能性があります
  • 医学・医療そのものへの関心が薄い
    →医療の話題やニュース、新しい治療法などにまったく興味をもたない場合、将来の仕事としてリアルに考えられていないかもしれません

上のようなケースに当てはまると、「やらされている」意識が強い可能性があります。

その結果、ストレスや無気力感、あるいは「やっていることに意味を感じない」という感覚になってしまうことも。

ただ、お子さんがどんな気持ちで医学部という言葉を口にしているのか、一歩引いて観察してみることも大切。

そして何より、お子さんが自分の道を自分で選べる環境を整えることが最優先です。

お子さんの医学部への興味を高めるために、親としてできること

もし「うちの子はまだ自分から医学部を目指しているとは言えないかも…」と感じても、焦る必要はありません。

お子さんの医学部に対する興味を高めるために、親御さんもとしてできることがあります。

1. 医学部以外の選択肢も提示して、決める権利をお子さんに与える

医学部以外の選択肢も含め、あえてさまざまな可能性をお子さんに提示するのもひとつの方法。

「医者になることが絶対」という空気を作らないことが大切です。

ときには「医学部じゃなくてもいいんだよ」と声をかけることで、逆にお子さんは真剣に考えるようになります。

2. 「なぜ」を一緒に探る対話の時間を作る

医師という職業の魅力や現実、社会的な意義などについて一方的に教えるのではなく、一緒に考える時間を持つのも良い方法。

「なぜお医者さんになりたいの?」ではなく、「医師の仕事のどんなところに興味がある?」といった、お子さんの考えを引き出す質問が効果的です。

3. 医療の現場や医師の実際の姿に触れる機会を作る

医療ボランティア、病院見学、医師の講演会など、医療の実際に触れる体験は、お子さんのリアルな動機づけになります。

「かっこいい白衣」のイメージだけでなく、医療の喜びや厳しさの両面を知ることで、覚悟も生まれます。

4. 成績や結果よりも「成長」と「努力」を認める

「前より5点上がったね」といった小さな成長や、「難しい問題に粘り強く取り組んだね」という努力のプロセスを認めることで、お子さんは「もっと頑張ろう」と思えるようになります。

「医学部に行くため」ではなく「自分が成長するため」に頑張る姿勢が、長い目で見れば強みになります。

5. 親御さん自身が、期待や不安を自覚する

親御さん自身も、子どもに継いでほしいという想いや自分の叶わなかった夢、社会的ステータスへの期待を、無意識のうちにお子さんへ投影していることがあります。

「この子には医者になってほしい」という気持ちがどこから来ているのかを、一度立ち止まって考えてみることも大切です。

医学部予備校へ相談に行ってみる

親御さんはお子さんと距離が近く、親子という複雑な関係のため、本音を聞き出すのが難しいこともあります。

こうしたときは、医学部受験の対策を専門にしている予備校(医学部予備校)へ相談に行ってみるのも良いでしょう。

第三者であり、医学部だけでなく医学部受験に詳しい講師やスタッフが話をしてくれることで、スイッチが入ることもあります。

また、医学部予備校にはすでに医学部を目指して本気で頑張っている塾生さんがたくさんいて、予備校の環境を見て「ここなら自分も頑張れるかもしれない」とお子さんが感じることも。

医学部予備校は入塾前の学習相談や今後のアドバイスにはとても力を入れているため、まずは話を聞いてみるだけでも親子で参考になることは多いはずです。

まとめ|自分で決めたかどうかが、受験を乗り越える力になる

医学部は大学受験の中でも、ハードルの高い学部。

長期にわたって密度の高い学習が必要で、これをクリアするには本人自身の本気が大切です。

本当に医学部へ行きたいお子さんは、言動・行動に気持ちが感じられるもの。

わが子の様子を振り返り、当てはまっているかを確認してみてください。

そして、まだ本腰を入れていないと感じられたら、「今からどうするべきか」を親子で考えることが大切。

受験までの時間は限られるため、ぜひ早めに対策を立てましょう。

なお、医学部受験に向けてスイッチを入れるなら、やはり専門的な対策・サポートをしてくれる医学部予備校がおすすめ。

まずは話を聞いてみるだけでも参考になり、エリア別のおすすめ予備校をランキング形式で紹介しているため、参考にしてください。