進研ゼミは通信教育の定番教材。人気で質も高いですが、医学部にも対応しているかは気になるところ。
目安ですが、進研ゼミは志望校が偏差値65までの私立医学部・または地方国公立レベルまでの医学部なら使うのもおすすめ。それ以上の大学を狙うなら、大手予備校やZ会のほうがおすすめです。
ここでは、進研ゼミを活用した医学部受験を解説します。
学力に不安がある場合や、基礎〜標準レベルを固めて入れる医学部への合格を目指すなら、進研ゼミはぴったりです。費用も抑えられるので、しっかり活用して医学部合格を目指しましょう。
進研ゼミだけでも医学部合格は可能。教材をしっかり活用
進研ゼミは良質な教材のため、十分に活用して勉強すれば医学部にも十分合格できます。
難関の医学部といっても、それぞれの科目で基礎をしっかりと固め、応用レベルの問題に取り組むという流れは、他の学部と変わりません。
進研ゼミは入試傾向を見ながら教材を毎年改善。さらに新課程にもいち早く対応し、情報提供もしてくれます。
【東大京大・旧帝大・医学部の合格実績(2023年度)を比較】
東大京大 | 東大京大を除く 旧帝大 |
早慶上理 | 医学部 医学科 |
|
---|---|---|---|---|
河合塾 | 2,698人 東大:1,321人 京大:1,377人 |
3,570人 | 17,781人 | 4,204人 国公立:1,605人 私立:2,599人 |
駿台 | 2,781人 東大:1,409人 京大:1,372人 |
2,471人 | 12,010人 | 3,672人 国公立:1,628人 私立:2,044人 |
Z会 | 2,273人 東大:1,263人 京大:1,010人 |
1,869人 | 7,284人 | 1,390人 国公立:618人 私立:772人 |
進研ゼミ | 152人 | 830人 | 1,181人 | データなし |
上の合格実績だけを見ると、進研ゼミは難関大学の合格実績がかなり少ない印象。ただ、安価な費用で基礎から無理なく取り組めるカリキュラムとサポートを整えてくれているのはやはり進研ゼミで、考えてみるのもおすすめです。
ちなみに進研ゼミでは合格実績を公開していて、医学部に合格した人の声も読むことができます。
進研ゼミはZ会よりも取り組みやすいレベル。今の学力が偏差値50〜55、基礎からしっかり固めたいなら適している
進研ゼミと比べることが多いのがZ会。傾向としてZ会のほうがハイレベルな傾向にあり、ある程度の基礎がないと取り組めません。
「医学部を狙うなら、Z会のほうが良いのでは?」と考える人もいますが、基礎があやふやな状態でZ会を受講しても、途中で挫折しやすいです。
物事には段階があり、医学部受験の対策も基礎から応用へステップアップするのが王道。学力に不安があるなら無理にZ会を始めるより、始めやすく続けやすい進研ゼミを選ぶのが良いでしょう。
目安として、今の学力が偏差値50〜55くらいなら、進研ゼミを選ぶべき。今の時点ですでに偏差値60前後あるなら、Z会が良いでしょう。
1科目でも受講すると、デジタル教材はほかの科目も勉強できるのが良いところ。全て進研ゼミで学べる
進研ゼミ高校講座はどの学年も、大きく
- テキスト
- デジタル教材(映像授業)
- 質問・相談ができるチャットサポート
で構成されています。テキストは受講した科目のものしか送られてきませんが、アプリで使うデジタル教材は1科目だけでも受講すれば、ほかの科目も利用できるのが大きなメリット。受験に必要な科目を、全て進研ゼミのコンテンツで学習できます。
進研ゼミの教材はていねいで、構成やテキストの色づかいにもこだわっています。メリハリがきいたレイアウトでわかりやすいのが特徴。参考書のような教材が毎月届くイメージです。
デジタル教材は1回5〜10分ほどの映像授業が中心で、テキスト教材は1回30分ほどを目安に学習可能。良質な学習を短時間・集中的に実施できるようになっています。
また、リスニング教材・暗記もの攻略本・推薦入試対策本・入試情報がわかる冊子など、さまざまな副教材も充実。こうしたものを全てこなせば、相当な実力がつくはずです。
塾や予備校で複数科目を受講すると、どうしても費用が高くなるもの。進研ゼミは1科目受講でデジタル教材を活用するのも良いですし、2科目や3科目、それ以上の科目を受講しても、単純に2倍・3倍の金額にはならないため利用しやすいです。
英語・数学を軸に、苦手を克服したい科目・伸ばしたい科目を受講しよう
医学部を目指す上でもほかの学部と同じように、英語・数学は必須。進研ゼミで受講する科目も、まずはこの2つを軸に考えると良いでしょう。
そして「英語は得意だから、数学だけでいい。それよりも物理の学力を引き上げたい」のような場合は、数学・物理などで受講するのもおすすめです。
コースは難関大向けコースを利用
進研ゼミは医学部専用のコースがないため、難関大向けのコースを利用します。各コースのおすすめ度を紹介します。
【高1・高2生コース】
私立 医学部志望 |
国公立 医学部志望 |
|
---|---|---|
最難関大挑戦コース | ○ | ○ |
難関大挑戦コース | ◎ | ◎ |
大学進学総合コース | △ | △ |
旧帝大の医学部や偏差値65以上の私立医学部など、上位の医学部を目指すなら「最難関大挑戦コース」が適しています。地方国公立医学部や偏差値60〜65の私立医学部を目指すなら、「難関大挑戦コース」が良いでしょう。現状の学力に不安があるなら、難関大挑戦コースをおすすめします。
【高3コース】
私立 医学部志望 |
国公立 医学部志望 |
|
---|---|---|
東大京大 | ○ | ○ |
難関国公立 | ◎ | ◎ |
国公立スタンダード | △ | △ |
早慶上理 | ○ | ○ |
難関私大 | ◎ | ◎ |
私立スタンダード | △ | △ |
受験ベーシック | △ | △ |
高3コースは7つに細分化されています。難関校向けコースが基本で、志望校に合わせてコースを選んでください。
また、極端に苦手な科目は、無理せず「私立スタンダード」「国公立スタンダード」を選ぶのも良いです。スタンダードでもしっかりと基礎を固めれば、応用レベルに対応する力が身につきます。
コース選びに迷ったら進研ゼミの窓口に直接相談するのも良いですし、公式サイトにある「オススメプラン診断」を利用するのも良いでしょう。
進研ゼミは質問や学習相談などのサポートもあり、続けやすくなっている
以前の進研ゼミは「続けられるか不安」というのが最大のデメリットでした。ただ、今はサポートが改善されていて、
- 何を勉強するかで迷わない。
- 途中で挫折せず、続けやすい。
という内容になっています。
- 志望大学・入試科目を登録すると、スマホに今日勉強するべき科目・単元が表示される。
- 24時間で質問を受付。ほぼ翌日に回答してもらえる。
- 志望大学の先輩やプロの学習アドバイザーが、進路の相談に乗ってくれる。
継続のポイントは「サポートを活用するかどうか」。必要な環境は整えられているため、つまずきそうになったらすぐに質問・相談するのが進研ゼミで迷わず勉強を進めるコツです。
社会人や再受験生で、高校の勉強を忘れている場合にも適している
進研ゼミ高校講座は基本的に高校生向けの教材ですが、社会人や再受験で医学部を目指す人にも良い教材。高校生に混じって予備校の授業を受けずに自宅で学習できます。
上でも紹介したように、進研ゼミは基礎を重視しているのも良いところ。高校内容を忘れていたり、新課程の知識がなかったりする場合でも助かるはずです。
進研ゼミ高校講座の料金(2024年2月現在・税込)
進研ゼミの料金は、高1・高2は月7,000〜1万円ほど、高3は月1〜1.5万円ほどが目安。半年や1年分を一括で払うほうがオトクです。
【高1の料金】
教科 | 毎月 | 6ヶ月一括 | 12ヶ月一括 |
---|---|---|---|
1教科 | 月7,350円 (年間88,200円) |
42,180円 (月あたり7,030円) |
77,760円 (月あたり6,480円) |
2教科 | 月9,730円 (年間116,760円) |
55,800円 (月あたり9,300円) |
102,840円 (月あたり8,570円) |
3教科 | 月10,930円 (年間131,160円) |
62,700円 (月あたり10,450円) |
115,560円 (月あたり9,630円) |
【高2の料金】
教科 | 毎月 | 6ヶ月一括 | 12ヶ月一括 |
---|---|---|---|
1教科 | 月7,580円 (年間90,960円) |
43,500円 (月あたり7,250円) |
80,280円 (月あたり7,250円) |
2教科 | 月9,960円 (年間119,520円) |
57,180円 (月あたり9,530円) |
105,480円 (月あたり8,790円) |
3教科 | 月11,150円 (年間133,800円) |
63,960円 (月あたり10,660円) |
118,080円 (月あたり9,840円) |
【高3の料金】
科目 | 毎月 | 6ヶ月一括 | 12ヶ月一括 |
---|---|---|---|
1科目 | 月11,400円 (年間136,800円) |
64,260円 (月あたり10,710円) |
119,400円 (月あたり9950円) |
2科目 | 月12,480円 (年間149,760円) |
70,320円 (月あたり11,720円) |
130,680円 (月あたり10,890円) |
3科目 | 月13,440円 (年間161,280円) |
75,780円 (月あたり12,630円) |
140,760円 (月あたり11,730円) |
4科目 | 月14,290円 (年間171,480円) |
80,460円 (月あたり13,410円) |
149,640円 (月あたり12,470円) |
5科目 | 月15,000円 (年間180,000円) |
84,600円 (月あたり14,100円) |
157,200円 (月あたり13100円) |
6科目 | 月15,710円 (年間188,520円) |
88,680円 (月あたり14,100円) |
164,760円 (月あたり13,730円) |
7科目 | 月16,430円 (年間197,160円) |
92,760円 (月あたり15,460円) |
172,320円 (月あたり14,360円) |
8科目 | 月17,140円 (年間205,680円) |
96,840円 (月あたり16,140円) |
179,880円 (月あたり14,990円) |
高1・高2生なら年間10〜12万円ほど、高3生でも年間15〜20万円ほどで収まるのは、塾や予備校に比べると圧倒的に良心的。質はとても良いため、進研ゼミはコストパフォーマンスの良い教材と言えます。
進研ゼミ高校講座だけでも、医学部には合格可能。とにかく使い込もう
進研ゼミはもちろん向き不向きはあるものの、基礎からしっかり固めて医学部を狙いたい人にはおすすめ。興味がわいたら、ぜひ考えてみてください。テキストもデジタル教材(アプリ)もサポートも、とにかく全て活用して進研ゼミに集中するのがおすすめです。
進研ゼミは資料請求でサンプル教材を見ることもでき、まずは1ヶ月やってみるのもひとつの方法。ぜひ考えてみてほしいと思います。