子供の学力・やる気が低いけれど医学部に行ってほしい。予備校や家庭教師をどうする?

「子供の学力は正直、医学部受験には遠い・・。でも何とか医学部に行かせたい」

こんなとき、予備校や家庭教師を考えることも多いと思います。ただ、お子さんに何が1番合っているのか、わからないこともあるもの。

ある程度の学力があってやる気も高ければ大手予備校や通信教育も良いですが、学力に不安があるなら医学部予備校や家庭教師がおすすめ。ここで解説します。

学力が不安で医学部を目指すなら、医学部予備校か家庭教師がおすすめ

大学受験に向けた勉強をするときは、下の4つのうちどれかを利用するのが一般的。

  • 大手予備校(河合塾・駿台・東進)
  • 医学部予備校(医学部専門の予備校:メディカルラボ・富士学院・北九州予備校など)
  • 家庭教師(トライ・学研・名門会など)
  • 通信教育(進研ゼミ・Z会・スタディサプリ)

この中で、お子さんの学力に不安があるけれど医学部を目指すなら、医学部予備校か家庭教師がおすすめです。

大手予備校 医学部予備校 家庭教師 通信教育
授業形式 集団 1対1
or
少人数
1対1 自主学習
講師 有名講師 プロ 大学生
社会人
プロ
教材 独自教材 独自教材 手持ち教材 独自教材
医学部の
受験情報
学費目安
(医学部コース)
年間
100〜150
万円
年間
200〜500
万円
年間
100〜300
万円
年間
10〜15
万円

それぞれ特徴があるものの、大手予備校は「教室での一斉授業」、通信教育は「自分で勉強する必要がある」という点が大きなデメリット。大手予備校は有名な先生による授業を受けられて、通信教育は教材が良質ですが、「授業や教材を活用しきれるかどうか」が問題です。

今の時点で学力に不安がある場合、授業や教材の質も大切ですが、それ以上に先生やスタッフにしっかサポートしてもらえることが重要。いつも「勉強、頑張ってる?」と声をかけてもらえればモチベーションの維持になり、先生やスタッフとの距離が近ければ相談もしやすいです。

医学部予備校・家庭教師は、大手予備校に比べると先生は劣るかもしれません。ただ、1対1や少人数で教えてもらえることは、それ以上のメリットを得られることが多いです。

では医学部予備校と家庭教師では、どちらが良いのか。結論としてはどちらも良く、実際に話を聞いて合うと感じたほうを選ぶと良いです。

医学部予備校のメリットは、「医学部受験の情報が充実」+「勉強の質と量を確保できる」

メリット デメリット
・医学部の情報が詳しい。
・周りの人から刺激をもらえる。
・1対1または少人数指導。
・スタッフによる学習管理がある。
・校舎で質問・相談しやすい。
・自習室がある。
・学費が高い。(年間200〜500万円)
・近くに校舎がないと通えない。
・1対1でなく、少人数指導の場合も。
・モチベーション維持のサポートは低め。

医学部予備校は、「医学部を受験するために必要なものがひと通り揃っている」というのが特徴。

医学部は国公立・私立合わせて、全国82の大学にあります。医学部予備校では各大学の入試情報(小論文・面接も含む)やカリキュラムの特徴を把握。「今の学力で現実的に狙うなら、この大学」「やりたいことができるのは、この医学部」のような提案をしてくれます。

また、医学部受験には勉強の質だけでなく「勉強量」も大切。多くの医学部受験生は1日10〜12時間ほど勉強しますが、医学部予備校も大量の学習をこなせるよう、スタッフが面談や生徒さんからの相談を通してスケジュールの立案・学習管理をしてくれます。

1対1か少人数指導かは、予備校によって違います。たとえば医学部予備校の大手「メディカルラボ」は完全1対1指導、「富士学院」は少人数指導と1対1指導の両方があります。

1対1指導のほうがお子さんだけを見てもらえるため授業の質は高くなりますが、費用は高い傾向にあります。入塾前の相談や見学などで大丈夫と判断できたら、少人数でも良いでしょう。少人数指導では、一緒に受験を頑張る友達ができることもあります。同じ医学部を目指す仲間のつながりは、入試が終わったあとも貴重なはずです。

ただし医学部予備校は必要なものが整っているものの、活用できないと意味がありません。

「息子を医学部に入れたいけど、やる気がない」「医学部に行きたいと思うけど、まだ本気になれていない」という場合、せっかくの環境がムダになってしまう可能性もあります。先生やスタッフも声をかけてくれるものの、「医学部受験へのモチベーションがある程度あるお子さんにおすすめ」といえます。

家庭教師のメリットは、「完全1対1指導」「モチベーションを上げてもらえる」

メリット デメリット
・1対1でのきめ細かい指導。
・校舎へ通わず、自宅で勉強できる。
・やる気を引き上げてもらいやすい。
・医学部生や合格実績がある先生が担当。
・スタッフによる学習管理がある。
・予算に応じて学費を調節できる。
・授業の回数・時間を変えやすい。
・大手以外は、医学部の情報が薄め。
・授業以外は自分で勉強する必要あり。

家庭教師は「先生とお子さん1対1での、きめ細かい指導」が特徴。先生はお子さんの学力や理解のペースを見ながら教えてくれて、英作文や数学の答案作成など、個別対応が必要なところまで見てもらえます。

ただ、1対1指導は医学部予備校でも行っています。家庭教師のメリットは、「先生とのコミュニケーションを通して、やる気を引き上げてもらいやすい」ということが挙げられます。

医学部予備校の授業は校舎で行われますが、家庭教師の授業はお子さんの自宅。先生との信頼関係ができると、お子さんが授業の中で深い悩みを相談することもあります。

  • 「親は医学部に行ってほしいと言うけれど、正直なところ自分はまだわからない」
  • 「医学部に行きたいけれど、まだモヤモヤしている」

こうしたとき、先生がカウンセラーのような役割をすることで、「勉強を頑張ろう」という気持ちになる生徒さんもいます。

もちろん人それぞれ相性があるため確実ではありませんが、モチベーションに課題があるなら家庭教師が向いています。

ただし家庭教師の会社で医学部の情報をしっかり持っているところは少なく、「家庭教師のトライ」や「名門会」くらい。ただし生徒さんを医学部に導いた実績のある先生やコミュニケーションも得意なプロの先生、現役医学部・東大・京大の先生はいるため、こうした方に教えてもらうのがおすすめ。家庭教師は授業の時間や回数を変更しやすいのもメリットです。

医学部予備校も家庭教師も費用は高く、目安は年間100〜400万円ほど。家庭教師のほうが予算に合わせて利用しやすい

お子さんが医学部を受験するとき、親御さんが気になるのが学費。予備校も家庭教師も費用は高いです。

医学部予備校 家庭教師
年間の学費目安 年間200〜500万円 年間100〜300万円

どちらも授業の回数や時間を増やすと学費は上がりますが、基本的には医学部予備校のほうが高め。数百万円かかることはよくあるため、予算が合うかも確認が必要です。

費用をどれくらいかけるかのポイントは、「お子さんのモチベーション」。

お子さんの医学部受験に対する意欲がまだ低い場合、大量の授業やサポート環境、自習室があっても、ムダにしてしまう可能性があります。この場合は授業時間や回数を抑えめにして、家庭教師でモチベーションを上げてもらうのが効果的。そこからやる気になってきたら、予備校へ切り替えるのも良いでしょう。

「医学部受験に向けて、本格的に頑張ろう」となって予算が大丈夫なら、医学部予備校がおすすめです。

「医学部予備校ってすごく高いけれど、本当に意味あるの?」と思う人もいますが、プロの先生による1対1や少人数指導、スタッフによる個別サポート、アクセスの良い都市部に構える校舎の維持費など、医学部予備校が高いのは理由があります。けしてボッタクリではなく、受験生のことを考えて環境・体制を整えている予備校がほとんど。最近は口コミがすぐにインターネットで広まるため、悪質な予備校はすぐになくなってしまいます。

学力が心配なら医学部予備校か家庭教師。まだモチベーションが低めなら家庭教師、やる気があれば医学部予備校。実際に相談するのもおすすめ

医学部を目指すなら、しっかりと勉強する必要があります。大手予備校や通信教育も役立ちますが、まだ学力やモチベーションに不安があるなら医学部予備校や家庭教師がおすすめ。1対1や少人数指導のため、学力アップに必要な授業に加えて、モチベーションの面でもサポートしてもらえます。

今の時点でお子さんが「勉強を頑張りたい」とやる気になっているなら医学部予備校、モチベーションがまだ低めな場合や予算を抑えるなら家庭教師が向いています。実際に話を聞いてみるのも良いため、早めに考えてみてほしいと思います。