医学部予備校の費用はなぜ高い?ぼったくりではない?4つの理由

予備校に入って医学部を目指す場合、河合塾や駿台などの大手予備校と、医学部受験を専門にした「医学部専門予備校(以下、医学部予備校)」があります。

平均的な相場は、大手予備校の医進コースで年間100〜150万円、医学部予備校で年間200〜300万円ほど。医学部予備校は一般的な学習塾や大手予備校に比べると高く、「どうしてこんなに高いの??お金持ちを相手にしたぼったくりなの?」と思ってしまうこともあるかもしれません。

ただ、医学部予備校が高いのは、きちんと理由があります。よほど小さくて名前を聞かない予備校でない限り、ぼったくりではないはずです。

ここでは「医学部専門予備校が高い理由」を解説します。

医学部専門予備校の費用が高い理由4つ。結論は「きめ細かいサポートが必要なため」

医学部予備校はなぜ高いのか?

その理由は「生徒さん1人1人に、医学部受験というハイレベルな勉強の指導・サポートをする必要があるため」です。

予備校の良し悪しを判断するとき、まず注目されるのは「授業(先生)の質」「テキストの質」です。

ただ、医学部受験は「授業とテキストの質さえ良ければいい」というだけではなく、「学習量」も大切。人によっては自分だけで膨大な勉強をこなせないことがあり、そのサポートをするために医学部予備校があります。

医学部予備校が高い理由をより具体的に紹介すると、主に下の4つです。

  • 1対1または少人数指導で授業数も多く、人件費がかかるため
  • 都市部のアクセスが良い場所に校舎があるため
  • 営業時間が8:00〜22:00のように長く、運営スタッフが必要なため
  • 集中して勉強できる環境を整えるため、個室の自習室を設けている予備校も多いため

1対1または少人数指導で授業数も多く、人件費がかかるため

予備校を運営するには、お金が必要。予備校は授業料という形でご家庭から費用をいただいていますが、講師やスタッフに給料を払い、校舎の家賃や電気代なども払い、残りが運営資金になっています。つまり先生が少ないほど人件費が小さくなり、利益が出やすくなります。

ただ、先生が少ないと、複数の生徒さんを1人の先生が指導することになります。するとどうしても1人の生徒さんにかけられる時間・労力は減ってしまい、ハイレベルな医学部受験に対応できない可能性が高まります。

そのため医学部予備校では、ご家庭からの費用を高くすることで先生を増やし、1対1の個別指導や少人数指導ができる体制を整えています。1対1指導は、費用がかかるスタイルなのです。

また、医学部受験の勉強は、質も量も高いレベルが求められます。基本的な内容の解説に加えて演習の時間も必要で、授業数は必然的に多くなります。授業のコマ数が増えるということも、授業料が高くなる要因です。

都市部のアクセスが良い場所に校舎があるため

医学部予備校の多くは東京の都心部、大阪や名古屋の中心部など、生徒さんが通いやすい場所にあります。予備校にとって良い場所に校舎を構えるのは、お金がかかります。

普段はあまり意識しないかもしれませんが、こうした都市部にあるビルは、莫大な費用をかけて建設されています。医学部予備校はこうしたビルに家賃(テナント料)を払うことで校舎を構えていますが、都市部のビルは家賃が高いです。これが授業料の高さにも影響しています。

「そんな都市部じゃなくてもいいのに・・」と思う人もいますが、予備校にとって多くの生徒さんが通いやすいことは大切。また、医学部受験生は夜遅くまで勉強することも多く、高校生が暗い道を1人で歩くのは少し危険。医学部予備校は生徒さんが安心して通えて、勉強に集中できるよう、立地の良い場所に校舎を構えています。

ちなみにもちろん、駅から少し離れた場所で、費用を抑えた予備校もあります。「駅から少し離れても、安いほうがいい」という場合、こうした予備校を考えるのもひとつの選択肢です。

集中して勉強できる環境を整えるため、個室の自習室を設けている予備校もあるため

数百万円する医学部予備校の多くは、単に校舎が都市部にあるだけでなく、広いスペースを確保しています。授業スペース・自習室・面談用の部屋などが一般的ですが、個室の自習室を用意している予備校もあります。

集中して勉強するには、周りに邪魔されない環境が必要。医学部予備校によっては個室の自習室で、質の高い勉強ができる体制を整えているところもあります。

また、個室の自習スペースを確保すると、必然的に校舎の面積も広くなります。都市部のビルで1フロアを丸ごと借りたり、2フロアを借りたりするとまたテナント料が上がるため、ご家庭が払う費用も高くなります。

営業時間が8:00〜22:00のように長く、運営スタッフが必要なため

医学部受験は、本気で勉強しないと受かりません。医学部予備校も全力でサポートするために、校舎を朝早くから夜遅くまで開けていることが多いです。8時ごろから22時ごろまで自習室を使える予備校は多いため、勉強時間をしっかり確保できます。

このように営業時間が長いことで、医学部予備校はやはりコストがかかります。電気代やスタッフの人件費などが主な費用で、これもご家庭が払う費用の高さに影響しています。

医学部専門予備校が高いのは理由があり、有名な予備校ならぼったくりではない

医学部専門予備校はほかの予備校に比べて学費が高く、「どうしてこんなに高いの!?」と思ってしまうこともあります。

ただ、やはり高いのは理由があり、「ハイレベルな医学部受験のために、万全の体制を整えているため」。医学部予備校の費用は本当に安くありませんが、本気で医学部受験に向けて頑張るなら、考えてみてほしいと思います。