医学部の受験を考える場合、必ず受けるべきなのが「模試」。本番形式で問題を解くと自分の実力をチェックでき、実践力も磨けます。
模試といえば共通テスト(大学入学共通テスト)の形式に合わせた「マーク模試」と、私大・国公立入試レベルの「記述模試」が一般的。ただ、大手の予備校・医学部専門予備校は「医学部模試」を開催していて、医学部を受ける人の中でのデータを知ることができます。
医学部受験には、医学部模試を受けるのが効果的。ここでは有名な医学部模試を、まとめて紹介します。計画に取り入れながら、勉強を頑張りましょう。
医学部受験におすすめの模試一覧!2020年度スケジュール日程まとめ
医学部模試は多くの予備校で開催していますが、主なものは次の5つ。
- 河合塾「全統医進模試」
- 東進「全国統一医学部テスト」
- メディカルラボ「私立医学部模試」「私立医学部大学別 実力判定テスト」
- メビオ「私立医学部 大学別模試」
- 野田クルゼ「クルゼ模試」
河合塾と東進はご存知の大手予備校ですが、メディカルラボ・メビオ・野田クルゼも「医学部専門予備校」としては大手。下の5つは母集団も多いため、偏差値や判定も参考になるはずです。
ちなみに駿台も医学部受験生に人気の予備校ですが、医学部に特化した模試は開催していません(2020年現在)。
それぞれの模試の2020年度スケジュールは、下のようになっています。ただし新型コロナウイルスの影響で変更になる可能性もあるため、申し込む場合は公式サイトも念のため確認してください。
【主な医学部模試の2020年度スケジュール】
予備校・模試 | 日程 | 費用 |
---|---|---|
河合塾 「全統医進模試」 |
2020年8月下旬に公開 | 2020年8月下旬に公開 2019年度は6,380円(税込) |
東進 「全国統一医学部テスト」 |
11/1(日) | 無料 |
メディカルラボ 「私立医学部模試」 「私立医学部大学別 実力判定テスト」 |
「私立医学部模試」 10/11(日)・10/18(日)・10/25(日)・11/1(日)・11/8(日) 「私立医学部大学別 実力判定テスト」 9/1(火)〜2021年1/31(日)までの期間で自宅受験 |
私立医学部模試:5,000円(税込) 私立医学部大学別 実力判定テスト:1大学3,000円(税込) |
メビオ 「私立医学部 大学別模試」 |
久留米大:東京・・8/9(日)、大阪&九州・・8/10(月祝) 聖マリアンナ大:8/16(日) 近畿大:9/13(日) 順天堂大:9/20(日) 大阪医科大:10/4(日) 福岡大:11/8(日) 東京慈恵会医科大:11/15(日) 関西医科大:12/13(日) 昭和大:12/27(日) 川崎医科大:2021年1/4(月) 東京医科大:2021年1/6(水) |
6,600円(税込) |
野田クルゼ 「クルゼ模試」 |
9/6(日)・10/4(日)・12/6(日) | 3,200円 |
医学部受験の定番模試!河合塾「全統医進模試」
医学部を含め大学受験生にとって、誰しも受けるべきなのが河合塾の模試。河合塾の模試は業界トップクラスの規模で、「大学受験の模試といえば、まずは河合塾」というイメージがあります。
医学部を受験するときにもこれは変わらず、まずは河合塾の模試を軸にするべき。共通テスト形式の「マーク模試」、記述形式の「記述模試」に加えて、医学部受験生は「全統医進模試」も受けると良いです。全国の医学部を志望する多くの学生が受けるため、精度の高いデータを得られます。
また、河合塾の模試は問題の質も良質。クセがなく重要なポイントが多く含まれた問題が出題されるため、問題演習としても最適です。
東進と有名医系予備校が共同で開催!しかも無料の東進「全国統一医学部テスト」
河合塾や駿台と並ぶ大手予備校の「東進」も、医学部模試を用意しています。「全国統一医学部テスト」という名称で、医学部専門の予備校であるメビオ・野田クルゼ・メルリックス英進館(メルリックス学院)・YMS、さらに有名進学塾の学参・早稲田アカデミーと共同で開催しています。
多くの予備校・進学塾の生徒が受験するため、全国統一医学部テストも実際の入試に近い母集団を実現。ハイレベルな受験生の中で実力を測ることができます。
また、こちらの模試は受験料がなんと無料!もちろん受験後に東進からの案内があるものの、ひとつの練習として受けるには良いでしょう。
医学部専門予備校の大手による模試!メディカルラボ「私立医学部模試」「私立医学部大学別 実力判定テスト」
全国に多数の校舎がある大手の医学部専門予備校「メディカルラボ」は、2種類の医学部模試を用意しています。
私立医学部大学別 実力判定テスト:12の私大医学部の合格率をA〜Dで判定(自宅受験)。
私立医学部模試は私大医学部を目指す場合に、どの大学の問題が自分に合っているかがわかります。自分が解きやすい問題が出題される大学を受験すれば、合格の可能性が高くなります。志望校をまだ決めていない場合、こちらを受けるのがおすすめです。
私立医学部大学別 実力判定テストは大学別に試験が行われ、「岩手医科大学・埼玉医科大学・杏林大学・順天堂大学・東京医科大学・東京女子医科大学・金沢医科大学・藤田医科大学・近畿大学・兵庫医科大学・川崎医科大学・福岡大学」の12大学の合格率を判定できます。
私立医学部大学別 実力判定テストは会場で受ける形式ではなく、問題を取り寄せて自宅で受験します。受験が近づいてきたら、本番の予行演習として受けると良いでしょう。
また、メディカルラボの模試は私大医学部に特化しているため、国公立を目指す場合は河合塾や東進を優先しましょう。
医学部専門予備校の大手3社が共同開催!医学部進学予備校メビオ「私立医学部 大学別模試」
大阪に拠点を置く人気予備校「医学部進学予備校メビオ」も、「私立医学部 大学別模試」という私大医学部に特化した模試を開催しています。
東進の模試と同じく3社の予備校による共同開催で、メビオ・YMS・メルリックス英進館が主催しています。これらの予備校に在籍するプロ講師陣が問題を作成していて、採点や実力判定、解説の作成まで担当しています。
2020年度は17の大学に対応していて、「杏林大学・日本大学・兵庫医科大学・日本医科大学・久留米大学・聖マリアンナ医科大学・近畿大学・順天堂大学・大阪医科大学・福岡大学・東京慈恵会医科大学・関西医科大学・昭和大学・川崎医科大学・東京医科大学・東邦大学・慶應義塾大学・昭和大学」となっています。
それぞれの大学ごとに模試の開催日程が違い、確認が遅れると終わっていることもあるため気をつけてください。
医歯薬系の受験に特化した模試!野田クルゼ「クルゼ模試」
東京・お茶の水にある医歯薬専門予備校「野田クルゼ」も、医学部受験性に人気です。「クルゼ模試」という模試を開催していて、過去問から分析された問題傾向からオリジナル問題を出題しています。
模試を開催できるということは、予備校としてそれだけの実力があるということ。費用も1回3,200円と、ほかの模試に比べると少しお値打ち。こちらも練習も兼ねて受けてみるのはおすすめです。
医学部模試を受けるときの受け方・気をつけるポイント!
医学部模試はただ受けるだけではなく、「どう受けるか?どう活用するか?」がとても大切!やみくもに模試を受けても、その機会を最大限に活かせているとは言えません。
そこで医学部模試を受けるときは、次の4つのポイントに気をつけましょう。
【医学部模試を受けるときは、この4つに気をつけよう!】
- 模試は勉強のペースメーカー&アウトプットに最適な機会!1〜2ヶ月に1度は受けると良い
- 判定だけで一喜一憂せず、E判定でもまずは落ち着く。「ここから合格には、何が必要か?」を考える
- 模試は結果を見るだけで終わらせず、必ず復習!次は必ず解けるようにする
- 今後の勉強の仕方で悩みそうなら、模試を受けた予備校に相談も良いかも
1. 模試は勉強のペースメーカー&アウトプットに最適な機会!ひと月に1度は受けると良い
模試は今の実力がわかるだけでなく、学力アップにもなる機会。その理由はスポーツに例えると、「練習試合」のようなものだからです。
自分で勉強していると、気づかないうちに甘えが出たり、きちんと理解しないまま勉強を進めたりすることはよくあります。模試は緊張感のある中で問題を解くため、「本当の実力」が浮き彫りにされます。
野球やサッカーなどのスポーツでも、練習試合という実践が良い経験になります。「本番でも通用する」という感覚は自信になり、「全然活躍できなかった・・」という悔しさは今後のバネになります。受験勉強もこれと同じで、模試での実践練習はとても大切です。
医学部受験生は医学部模試に加えて、河合塾の全統マーク模試や記述模試も受ける必要があります。模試の機会が増えて忙しいですが、高いハードルをクリアするためにアウトプット力を磨くのは必須。なるべくひと月に1度は、模試を受けましょう。
2. 判定だけで一喜一憂せず、E判定でもまずは落ち着く。「ここから合格には、何が必要か?」を考える
模試は順位や偏差値、合格判定がわかりますが、特に目がいくのが「合格判定」。高3になっても志望校でD判定やE判定が出ることもあり、メンタルに大きなダメージになります・・。
ただ、模試はあくまでも「現状の把握・分析」「アウトプット力の向上」が主な目的。判定が良くないと落ち込んでしまうのはわかりますが、「合格ラインに到達するには、ここからどうするべきか?」を考えることが大切です。
実際のところ医学部に合格する人は、ここが強いです。判定が悪くても諦めず、気持ちを切り替えて頑張っています。
もちろん誰しも落ち込むことはありますが、高3の春や夏にD判定やE判定でも医学部に合格した人はたくさんいます。特に現役生は指数関数のように実力が伸びるため、秋冬まではわかりません。冷静に、やるべきことをやりましょう。
3. 模試は結果を見るだけで終わらせず、必ず復習!次は必ず解けるようにする
大手の予備校・医学部予備校の模試は、問題がしっかりと練られています。場合によっては模試の問題が入試で的中して出ることもあり、復習する価値があります。
模試は受け終わったら、必ず解き直しておきましょう。さらっと答を見て「そうか」で終わらせず、「次は絶対に解ける」という状態にしておく必要があります。
模試の問題をまとめておけば、それだけで良質な問題集になります。あまり作業に時間をかけるのは良くありませんが、特に重要な問題は切り取って模試ノートにするのも良いでしょう。上で紹介した模試はどれも良質なので、ぜひたくさん練習してください。
4. 今後の勉強の仕方で悩みそうなら、模試を受けた予備校に相談も良いかも
各予備校が模試を開催するのは、受験生にとって良い機会になるだけでなく、「予備校に入ってもらうきっかけになるため」という目的も正直あります。ただ、「売り込みはゴメンだ!」と避けるより、場合によっては相談が良い機会になることもあります。
- 模試を受けて判定が悪く、これからどうするべきか分からない。
- 一応C判定は出た。より合格に近づくため、どんな勉強法がベストか知りたい。
- 予備校が気にはなる。1度話を聞いてみたい。
こんなときには、模試を受けた予備校で相談してみるのもおすすめ。今後の参考になる学習アドバイスをもらえるはずです。
ただ、ここで「ウチなら大丈夫です!今すぐでないと、出遅れますよ!」と強引に入校を勧められたり、「今の時期でこの判定だと、この大学なんて厳しいですよ」と冷たい対応をされたりするなら、その予備校はさっさと断るべき。予備校を利用するなら、親身になって一緒に今後を考えてくれるところを選びましょう。
医学部を受験するなら模試は必須!現状を分析して、アウトプット力を磨こう
医学部に合格するには、高いレベルの学力が必要。そのためには自分で勉強するだけでなく積極的に模試を受けて、現状を分析しつつ実践力・アウトプット力を磨くべき。常に本番を想定できる力が、合格を左右します。
上で紹介した模試は、どれも良質。オーバーワークは良くありませんが、バランス良くスケジュールに取り入れて、実力を磨いてほしいと思います。