医学部は大学受験の中でもハードルが高い学部。河合塾などの偏差値ランキングを見ても、医学部は私立・国公立含めて60以上は必要です。
ただ、自分の今の偏差値が50ほどでも、医学部に合格することはできます。もちろんこれからしっかり勉強をする必要はあるものの、チャンスは十分あるため、ぜひ頑張ってみてください。
ここでは「偏差値50からの医学部受験」について解説します。
※ここでの医学部とは、「医学部医学科」を指します。
ただ、しっかり勉強を頑張れば、可能性はあります!
時間を大切にして、これからを過ごしてくださいね。
偏差値50からでも医学部は目指せるが、入試までに60〜65以上に引き上げたい
まず、今の偏差値が50といっても、自分の学年によって目指せるレベルは変わります。
河合塾の偏差値ランキングを見ると、各大学の医学部はどこも偏差値60以上。
つまり「受験(高3の1月)までに河合塾や駿台の模試で、最低でも偏差値60〜65には引き上げたい」ということになります。
高1で偏差値50なら時間はまだ十分。高2でも医学部受験は間に合う!
今の学年が高1の場合、偏差値50くらいでも医学部を諦める必要はありません。まだ受験本番までに時間はあるため、しっかりと対策すれば入れる大学はあるはず。もちろん油断は禁物で、すぐにでも本格的な勉強を始める必要はあります。
現在、高2で偏差値50の場合、時間はだんだんと少なくなっています。ただ、それでも1年〜1年半くらいはあるはずなので、毎日の時間を大切にすればチャンスはあります。「どれだけ本気になれるか」がポイントで、スイッチを切り替えて頑張らないといけません。
高3の場合、現役で医学部合格レベルに間に合うかは努力次第
高3で偏差値50の場合、現役で医学部合格できる可能性は低くなります。入試までの時間は1年を切っているため、起きている時間はほとんど勉強するくらいの努力が必要。
医学部を目指す人の中には、中学生や高1・高2から勉強を頑張っている人もいれば、現役生より長く勉強している浪人生もいます。こうした中、高3で偏差値50から医学部合格を狙うのは、かなりハードルが高いといえます。
可能性としては低くなってしまいますが、「めちゃくちゃ勉強して、絶対に合格する!!」と生活を切り替えられれば、合格できるチャンスはゼロではありません。また、浪人まで視野に入れれば、当然ですが入れる医学部はあるはずです。
浪人生で偏差値50の場合も、「医学部受験に対するスイッチを入れられるか」がカギ
浪人生で偏差値50の場合、高3と状況は似ています。限られた時間で勉強することになるため、かなり努力が必要。ただ、頑張り次第でチャンスはあります。
また、浪人生で偏差値50ということは、「高校に通っている現役の間に、勉強を頑張れなかった」ということ。
- なぜ現役のときに頑張れなかったのか?
- 本当に自分は医学部へ行きたいのか?
- なぜ医学部に入りたいのか?
上の3点を、もう1度考えてみてください。
医学部受験はハイレベルな競争で、学力も大切ですが「医療に対する熱意」も大切。合格する人は学力・熱意とも高い人が多いため、少なくとも気持ちの面で負けないようにする必要があります。
偏差値50からの医学部受験で意識するべきこと
偏差値50から医学部を目指す場合、やみくもに勉強を始めても、合格に届かないことはよくあります。自分の気持ちをしっかり固めて、目標に向けて努力することが大切。本格的な勉強のスタート前に、意識するべきことを紹介します。
手堅く狙えるのは偏差値60〜65の私立大学。国公立はかなり難しいが、今後の伸びで可能性あり
今の学力が偏差値50の場合、現実的に合格できる可能性が高いのは、偏差値60〜65の私立大学医学部(河合塾の医学部偏差値ランキングを基準に)。
上位の私立大学は受験科目が少ないものの問題は難しく、高得点を取れるレベルに引き上げるのはかなり大変です。国公立大学は受験科目数が多く、ただでさえ1科目の学習量が多いのに、英数国理社の5教科全てを勉強しないといけません。
まだ高1・高2なら、今後の伸びによっては国公立・上位私大の医学部を狙える可能性もあります。ただ、高2の秋冬くらいで偏差値50なら、偏差値60〜65の私立医学部を中心に考えるべき。偏差値が低めでも医学部は医学部であり、どんな医師になるかは自分の努力次第です。
勉強は質と量、どちらも大切!平日は5時間、休日・浪人生は10時間を目安に勉強
勉強は「量と質、どちらが大切か」とよく言われます。ただ、医学部を目指すなら、どちらも重要。
だらだらと勉強せず集中して質を保ち、学校がある平日は5〜6時間、休日は10時間ほど勉強しましょう。浪人生は予備校での授業時間も含めて、10〜12時間ほど勉強するのが目安です。
「そんなに勉強するの・・?」と思うかもしれませんが、医学部を目指す人は普通にこなしているボリューム。一部のとても優秀な人ならもっと少ない時間で結果を出すかもしれませんが、今の偏差値が50なら勉強量は大切です。
ただ、いきなり長時間の勉強を続けようとするのは、かなり大変。3日で終わってしまうこともよくあります。
そのため最初は2時間や3時間から始めて、慣れてきたら5時間、8時間のように増やしましょう。少しずつ時間を伸ばすことで、スムーズに勉強を習慣化できます。また、時間が限られていることも意識して、1〜2週間ほどの間隔で時間を伸ばしていくと良いでしょう。
できれば医学部受験の予備校で集中学習・スケジュール管理をしてもらうほうが、結果は出やすい
受験勉強は、独学でもすることができます。質の良い参考書や問題集はたくさんあるため、解説を読み、自分で問題を解き進めれば学力は伸びていきます。
ただ、偏差値50というと、「ある程度のベースはあるが、まだあいまいなところも多い」という状態。独学だとわからないことが多かったり、モチベーションを保てなかったりと、挫折してしまう可能性があります。
そのためできれば、医学部専門の予備校(医学部予備校)を利用するのがおすすめ。
医学部予備校なら
- 実力派の先生による、質の高い授業
- 今の学力や得意・不得意にマッチする大学の提案
- 志望校に向けたカリキュラムの作成・進度のチェック
- スタッフによる質問や学習サポート
- 集中して勉強量を確保できる自習室
- 刺激になる、ほかの医学部受験生
など、しっかりと医学部を目指せる環境が整っています。もちろん費用はかかりますが、本気で頑張るなら、相談してみてください。
ベースの学力で負けていても、気持ち・想いでカバー。「なぜ医師になりたいのか?」を考える
これは上でもお伝えしましたが、今の学力がそれほど高くなくても、「絶対に合格する!」という気持ちを強くもつことはできます。
大学受験は勉強することも大切ですが、メンタルも大きく影響します。そこそこ成績や偏差値が高い人を、「頭のいい人はたくさんいるから、頑張らないと!」と必死に日々頑張る人が追い抜くことは十分あります。強い熱意があれば長時間も勉強もやる気をもって取り組むことができ、大変さのなかにも楽しさを見つけられます。
自分の気持ちにスイッチを入れるには、「なぜ医学部に入りたいのか?」「なぜ医師になりたいのか?」を自分自身に問いかけることが大切。
- 父が医師で、自分も同じように人の役に立ちたいから。
- 大切な人が重い病気で亡くなってしまい、医師の道に進みたくなったから。
- 医学の研究にとても興味がわいたから。
表面的な何となくの理由ではなく、「自分はこういう理由で、医学部に入って医師になりたい」という強い動機を考えてみてください。
逆に、ここで「うーん、どうして医学部に行きたいんだろう・・」と考えてしまう場合、モチベーションとしては弱いかもしれません。勉強をする中で意欲が高まる可能性はありますが、周りの人は強い気持ちで勉強している人がたくさんいることを知っておいてほしいと思います。
1〜3ヶ月に1度は模試での学力チェックを。軌道修正しながら学習
勉強はやみくもに進めるのではなく、自分の実力がどれくらいなのか、何ができていて何が足りていないかを知ることが大切。そのために有効なのが、模試を受けることです。1〜3ヶ月くらいに1度は模試を受けて、実力のチェックとアウトプットの練習をしましょう。
「しっかり勉強しても、テストになると解けない」ということは誰しもあるもの。知識を理解すること(インプット)と実際に活用できること(アウトプット)は別物だからです。
多くの人は授業や自宅でのインプットに時間を使いがち。ただ、実際に時間制限や緊張感のある中でテスト形式の問題を解くことは、とても大切です。
アウトプットをしっかり繰り返すことで、インプットした知識がより強固なものになります。自分の成績を直視するのはメンタルにダメージとなることもありますが、それこそが大切だと認識して頑張りましょう。
ちなみに模試は、河合塾と駿台が実施する模試をメインに、医学部受験専門の予備校(メディカルラボなど)が実施する模試も活用すると良いです。
しっかり勉強を積み重ねれば、目標に近づく!毎日を大切に
偏差値50でも、医学部を目指すことはできます。
高1、高2生なら時間はまだあり、ここから勉強すれば間に合います。頑張り次第でハイレベルな私大や国公立も視野にはいる可能性はあります。高3、浪人生は時間が限られるものの、集中して頑張ればチャンスあり。偏差値60〜65の私立大学を狙いましょう。
いずれにしても、医学部受験に必要なのは「勉強」。量と質をどちらも大切にして、これからの勉強を頑張ってほしいと思います。
また、時間は限られています。必要に応じて予備校も活用して、環境を整えて勉強を頑張ってほしいと思います。