駿台と河合塾の医学部コースを徹底比較:どちらの予備校が良い?

どんな業界にも「永遠のライバル関係」というものがあります。大学受験の業界でいうと、それは「駿台」と「河合塾」でしょう。

医学部受験のために予備校を選ぶとき、駿台と河合塾で、どちらにするか迷うことは多いです。一応、「理系・医学部は駿台、文系は河合塾が強い」と言われますが、結論としては「どちらもしっかり医学部の受験対策ができる、良い予備校」。自分にとって、より相性が良いと感じるほうを選ぶのがおすすめです。

ここでは駿台と河合塾の医学部コースを比較してみました。

駿台・河合塾の医学部コース比較(2024年)

駿台 河合塾
医学部コース
設置校舎
21校 25校
医学部に
特化した校舎
・市谷校舎(東京)
・梅田校(大阪)
・麹町校(東京)
・大阪北キャンパス
・名駅校(名古屋)
国公立医学部
コース
21校舎に設置 25校舎に設置
私立医学部
コース
21校舎に設置 5校舎のみ設置
授業時間 1コマ50分 1コマ90分
授業の席 指定席 自由
ホームクラス
合格実績
(2021年度)
国公立:1,656名
私立:2,123名
国公立:1,585名
私立:2,921名
自習室
質問対応
(オンライン可)

(オンライン可)
コーチング
(学習のアドバイス)
添削指導
独自模試の受験 無料 無料
オンラインコース
テキスト
以外の教材
・PLATON:英語学習
・manabo:スマホで質問
・atama+:5科目の基礎学習
・S-LME(スルメ):授業連動の演習教材
・過去問の大問別検索(有料)
・Study plus:学習管理
・河合塾One:5科目の基礎学習
・e-サポート:学習の習慣づけ(高1・高2)
学費の目安 年間80〜90万円 年間90〜120万円
入学金
(税込)
現役生:3万円
高卒生:10万円
ネット申込みで半額
現役生:3.3万円
高卒生:10万円
ネット申込みで半額
オプション ・共通テスト対策:年間3万円
・個別指導:年間80万円(週2回)
コースによって異なる。
・共通テスト対策
・数学演習
・理科演習
など

駿台の市谷校舎、河合塾の麹町校は、合格実績多数の有名校舎

駿台 河合塾
医学部コース
設置校舎
21校 25校
医学部に
特化した校舎
・市谷校舎(東京)
・梅田校(大阪)
・麹町校(東京)
・大阪北キャンパス
・名駅校(名古屋)

医学部は大学受験の中でも最難関。そのため駿台・河合塾とも、「医学部の専門校舎」を設置しています。

特に駿台の「市谷校舎」は有名で、数ある予備校校舎の中でもトップの医学部合格実績を誇ると評判。東京に出られる、または地方から出て寮に入ることを考えているなら、候補として検討するのも良いでしょう。2023年からは大阪エリアの医学部専門校舎「梅田校」も開校されました。

また、河合塾も負けておらず、麹町校(東京)・大阪北キャンパス(大阪)・名駅校(名古屋)は「医学部特化校舎」と位置づけられています。市谷校舎と並んで麹町校も人気で、河合塾が合うと思ったらまずはこれら3校を考えてみてください。

講師・テキストはどちらも良質。駿台は50分・指定席、河合塾は90分・自由席

駿台 河合塾
授業時間 1コマ50分 1コマ90分
授業の席 指定席 自由
ホームクラス
質問対応
(オンライン可)

(オンライン可)

駿台・河合塾はどちらも、講師・テキストがとても良質。

講師は超一流、テキストは長年に渡って研究された、独自のノウハウが詰まった教材となっています。駿台・河合塾とも、「これだけやれば十分」といえる内容・ボリューム。「理系科目は駿台が良い」と言われるものの、人によって相性・個人差はあり、河合塾のほうが良いと感じる人もいます。

駿台と河合塾の大きな違いは、

  • 授業時間
  • 授業の座席
  • 「ここが自分のクラス」というホームクラスがあるかどうか

です。

駿台は1コマ50分で、高校の授業時間と同じ。座席も指定となっていて、ホームクラスがあります。50分という短い時間でも授業はとても濃密で、高い学習効果。市谷校舎を始め、これまで多くの合格者を出してきたことが、十分な授業時間であることを物語っています。

河合塾は駿台より長い1コマ90分で、大学の授業時間と同じ。大学入学後も授業に違和感をもちにくいのがメリットです。座席は自由で、ホームクラスはありません。河合塾のほうが、自分のスタイルで学びやすいかもしれません。

なお、どちらも授業の合間やオンラインで質問ができ、疑問点を残さずに勉強できます。

合格実績はどちらも同程度。十分な数字で安心

駿台 河合塾
医学部コース
設置校舎
21校 25校
合格実績
(2021年度)
国公立:1,656名
私立:2,123名
国公立:1,585名
私立:2,921名
1校あたりの
平均合格者
国公立:82.8名
私立:106.15名
国公立:63.4名
私立:116.84名

合格実績も、駿台・河合塾で同じくらい。十分な数字のため、安心して利用できる予備校といえます。

一見すると国公立は駿台、私立は河合塾のほうが多く見えるものの、河合塾は校舎が駿台より多いです。1校あたりの平均で比べてもそれほど大きな差はありませんが、国公立は若干、駿台のほうが強い印象ではあります。

授業以外の教材は、駿台が充実

駿台 河合塾
テキスト
以外の教材
・PLATON:英語学習
・manabo:スマホで質問
・atama+:5科目の基礎学習
・S-LME(スルメ):授業連動の演習教材
・過去問の大問別検索(有料)
・Study plus:学習管理
・河合塾One:5科目の基礎学習
・e-サポート:学習の習慣づけ(高1・高2)
添削指導

予備校での勉強は「予習→授業→復習」のサイクルが基本。ただ、駿台・河合塾とも自主学習で使える教材を用意しています。

ちなみに最近は「ICT教材」「AI学習」という言葉をよく聞きますが、ICTとは「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、ICT教材とは要するにインターネットを活用した教材です。

AIは「Artificial Intelligence(人工知能)」の略で、AI学習は解けた問題の傾向をコンピューターがプログラムにより分析、苦手・得意な分野がわかるというものです。

駿台はICT教材・AI学習ツールに力を入れていて、5種類の教材を用意。必要に応じて活用できます。河合塾は高1・高2生が使えるe-サポートを除くと、2種類のみ。ただ、自主学習の教材としては十分な内容ではあります。

また、実は駿台・河合塾とも医学部コースは添削指導を受けることができ、国公立医学部を目指す場合に助かります。

オプションは河合塾が充実。オンラインコースは駿台のみ対応で、校舎での受講より20万円オフ

駿台 河合塾
国公立医学部
コース
20校舎に設置 25校舎に設置
私立医学部
コース
20校舎に設置 5校舎のみ設置
学費の目安 年間80〜90万円 年間90〜120万円
入学金
(税込)
現役生:3万円
高卒生:10万円
ネット申込みで半額
現役生:3.3万円
高卒生:10万円
ネット申込みで半額
オンラインコース
オプション ・共通テスト対策:年間3万円
・個別指導:年間80万円(週2回)
コースによって異なる。
・共通テスト対策
・数学演習
・理科演習
など

医学部コースは駿台・河合塾とも充実していて、学費は駿台のほうが少しお値打ちです。

国公立医学部コースはどちらも全ての校舎にありますが、私立医学部コースは河合塾だと5校舎(東京・大阪・名古屋・京都・仙台市)のみの設置、駿台は医学部コースのある20校舎全てにあります。

また、河合塾は「自分の目的に合わせてカスタマイズ」というコンセプトで、オプションが充実しています。校舎やコースによって付けられるオプションが違うため、確認が必要。駿台はオプションがシンプルで、「プラスカリキュラム」として共通テスト対策か個別指導が付けられます。

さらに駿台は上でも述べましたが、ICT教育に力を入れています。以下のコースはオンライン対応で、オンラインコースは通常料金よりナント20万円引き。上で紹介した教材は全て利用でき、模試も無料、スタッフによる学習コーチングもあります。

【駿台のオンライン医学部コース】

通常料金 オンライン受講
EX国公立大医系 87万円 67万円
スーパー
北医・札医・旭医
83万円 63万円
スーパー東北大医系 83万円 63万円
スーパー名大医系 84万円 64万円
スーパー九大医系 83万円 63万円
スーパー国公立大医系 86万円 66万円

駿台・河合塾は、医学部対策にもおすすめの予備校。迷ったらまずは相談を

駿台と河合塾はどちらも医学部対策に力を入れていて、おすすめの予備校。駿台は河合塾より学費がお値打ちで、ICT教材やオンラインコースも充実、合格実績も少し高いですが、1コマ50分授業は相性があります。河合塾も十分に良い内容のため、迷ったらまずは最寄りの校舎へ相談してみてほしいと思います。

医学部を目指す上で、予備校選びはとても大切。ぜひベストな予備校を見つけて、勉強を頑張ってください。